3月の31日の朝、久里浜からフェリーで金谷に渡って、千葉でも回ってこようかなと大船駅に来ると、ホームには大船始発の宇都宮行きが止まっておりました。そうだ!新橋の飲み仲間から良く聞かされてたなあ、仙台になかなかの居酒屋があるって。
てなわけで、急きょ行き先を千葉から仙台へ変更、宇都宮行きの乗客となったのであります。朝の9時前に藤沢をでれば4時過ぎには仙台に着くことは、一応時刻表で調べてはいましたけどね。乗り換えは、江の島をでて藤沢、大船、宇都宮、黒磯、郡山、福島で、仙台には4時ちょっと過ぎに到着。そうそう、居酒屋の名前は【源氏】、まだ開店までちょっと時間があるので駅前のアメ横をぶらぶら、ぷっくり太ったホヤが呼んでます。買い物客の影も長くなってきたので、いよいよ【源氏】のある文化横丁目指して青葉通りを西陽に向かって歩きだしました。仙台には何度も来たことがありますが、ほとんど国分町で飲んでたので、地元の人御用達の飲ん兵衛横丁があちこちにあるっていうのはあまり知らず、ですから文化横丁に来たのは初めてで、ましてや【源氏】がどこにあるのかなんてわかりませんよ。聞いたところでは、露地のそのまた奥の露地にあるらしいんですがね。さっぱりわからず、酒屋の配達のお兄さんをつかまえて聞いてみると、親切にもおじいさんの手を取るように露地の奥のそのまた奥の露地に連れていってくれました。ありましたよ、人一人がやっと通れるほどの露地の奥に、【源氏】の看板がぽっと暖かくついておりました。
5時にお店に入ったのは、わたしと、もう五十何年もこの店に通ってるという大先輩の二人だけでしたが、そのうちぽつぽつと常連さん達が入ってきて、6時前にはコの字型のカウンターがほぼ埋まっていました。カウンターの中では、おかみさん一人が調理場とお客さんとの間をてきぱきと行き来し、お客さん達は静々と飲み進んでいるという、五十何年もの月日が醸し出しているお店の雰囲気が、なんとも居心地のいいもんだなあと、ちょっとうらやましい気持ちに、わたしはなったのでした。
お店の規定よりも一杯余計に飲んで、お店をでたのが8時半頃でしたが、よそ者の飲ん兵衛を温かく迎えていただいた常連の皆さま、ありがとうございました。仙台に行った時には、また必ず【源氏】に寄らしてもらいますので、その時はどうぞよろしくお願いします。次の日には、珍しく入った仕事の打ち合わせがあったので、18切符の趣旨に反して新幹線で帰って参りました。