2002年8月23日
絵の島だより・その3


台風と波乗り・1

台風去って 開け放ちたる 大広間

 イラストレーターの仲間が集まってときどき句会をやりますが、その時に天をたくさん戴いた句です。

 わたしは台風が来ると聞くと、今でも浮き浮きしてくるのですね。大磯にいた中学、高校の夏休みは、ほとんど毎日海に行ってました。波乗りをするのです。決してサーフィンではありません。あの頃(40何年も前のことです)サーフボードなんて、どこかの大きな別荘の軒先に立て掛けてあるのを見るくらいで、それも3メーター以上の木製の重そうなやつだったし、それを使って波乗りしてるのを見ることも、ほとんどなかった。

 僕ら地元の少年たちは、洗濯板(前の方に手をかける穴が空いていて今で言うボデイーボードですかね)かゴムのマット(昔のは布地にゴムの膜を塗ってあるやつで、空気をパンパンに入れといても海から上がる頃にはクタ〜ッとなってて、まるで溺れた人を抱えているようだったなあ)で波乗りをしてました。どちらも持っていない者(じつはわたしがそうです)は、仕方なく素手で波乗りに挑戦です。

 わたしと坂田君はお互いの家を行ったりきたりしながら、毎日のように泳ぎに行っていた。彼が家にきたときは、兜岩の近くで、わたしが彼の家に行ったときは、大磯高校の前の浜で泳いだものです。

 そうそう、なんで台風が来ると浮き浮きするかというと、台風が来る前は3メーター以上の波乗り仕様のきれいな波がいくつもいくつも押し寄せてくるのですよ。台風が去った次の日の磯高下の海は、増水した花水川がどっと流れ込んできてとても波乗りなんかできませんが、これはこれで違った楽しみ方があったのです。一度の台風で二回楽しめたのですね。

 次回はその波乗りを詳しく。

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